細胞膜こそ細胞の脳
それってどういうこと❓
それってどういうこと❓
このような疑問はございませんか?
この記事では
・我々を構成している細胞の構造
・細胞膜が細胞の脳である理由
・生命をコントロールする細胞膜の考え方
について理解する事ができます。
Dr.和貴
今日は細胞環境デザイン学認定医
2級ファスティングマイスターであり
断食を日々実践している僕が
について解説します❗️
2級ファスティングマイスターであり
断食を日々実践している僕が
について解説します❗️
人間の生命活動を最小限にまで分解すると
それは細胞レベルまで分解されます。
細胞の構造や機能
そしてその膜構造を理解することで
いかにその環境を整えてやる事が重要であるかが
理解できるのではないでしょうか。
生命活動は細胞単位で行われている
我々人間の生命活動というのは個体を構成している臓器や組織
そしてそれを構成している各細胞の生命活動が協調した結果として現れるものであります。
そしてそれを構成している各細胞の生命活動が協調した結果として現れるものであります。
例えば運動をする時
心臓の活動が高まらなければ
運動を継続させることはできず
無理に運動すればやがて倒れてしまいます。
だからこそ人間の体は運動時に
心臓の活動も高まるようになっています。
心臓の活動を高めるためには
交感神経系の神経細胞
アドレナリンなどのホルモンを分泌する
副腎の細胞が強調して働かなくてはなりません。
それによって支持を受けた
心臓のペースメーカーを担当する細胞や
心筋細胞はすぐに活動度を増さなければなりません。
また、それに引き続き
心筋細胞や骨格筋細胞は
多くの酸素やブドウ糖を要求するようになるため
呼吸やエネルギー代謝に関わる器官や
組織の細胞も活動度を増さなければなりません。
このように、全身の活動を生み出したり
それを支えたりしているのは
臓器や組織を構成している個々の細胞であるのです。
ですので、体の仕組みを知るためには
まず細胞の特徴や働き方を
知らなければならないのです。
細胞の基本構造とその役割
ではまず初めに
細胞の基本構造とその役割を少し復習してみましょう。
これらの内容は
生物学の書物を見てもらうと
どこにでも書いているような内容ですので
端的に解説したいと思います。
細胞とは生物の構造・機能上の基本単位であり
細胞中には各種の細胞内小器官が存在し
互いに連携を取りながら様々な機能を発揮します。
(細胞内小器官)
核
遺伝子を構成するDNAを含みこれを守る細胞内小器官。
二重の膜(外膜と内膜)からなる核膜を持ち、角の内部(核質)が核膜孔によって細胞質と交通している。
二重の膜(外膜と内膜)からなる核膜を持ち、角の内部(核質)が核膜孔によって細胞質と交通している。
小胞体
① 粗面小胞体:リボソーム顆粒が付着
② 滑面小胞体:リボソーム顆粒の付着なし
脂質、タンパク質、ステロイドホルモン合成の場であり、細胞膜を構成する脂質はここで作られる。
リボソーム
rRNA(リボソームRNA)と多種類のタンパク質から構成される。
mRNAから情報を受け取り、アミノ酸を一定お順序に並べてタンパク質を合成する働きをする。
ゴルジ装置(ゴルジ体)
4〜6枚の扁平な嚢(ふくろ)が重なった構造。
嚢には凸面(cis面)と凹面(trans面)が存在し、合成されたタンパク質は凸面から凹面へと順次輸送される。
この過程においてタンパク質に種々の修飾が行われる。
ミトコンドリア
糖代謝の一過程であるTCA(クエン酸)回路、電子(水素)伝達系はミトコンドリアで行われる(ATPの生成)。
人の細胞の祖先でもある、原始真核細胞に寄生した細菌に由来すると考えられている。
独自のミトコンドリアDNAをもち、母親から子へと受け継がれる(母系遺伝)。
細胞質
成分の85%は水で構成される。
糖代謝の一過程である解糖系の場であり、ATP(アデノシン三リン酸)が生成される。
また、核膜の有無により
原核細胞と真核細胞に大別され
原核細胞を有する生物を原核生物
真核細胞を有する生物を真核生物と言います。
原核細胞:核膜なし
真核細胞:核膜あり
真核細胞:核膜あり
細胞膜こそ細胞の脳である
細胞の基本構造とその役割が理解できたところで
この細胞の構造において最も重要であり
その能力を理解していただきたい部位があります。
そうそれが「細胞膜」
要するに細胞を構成している膜の部分です。
まず初めに
アメリカの生物学者ブルース・リプトン博士が著した
「思考のすごい力」という書籍の一部をご覧頂きたい。
DNDが生物をコントロールするのではない。核は細胞の脳ではない。
私たち誰もがそうであるように、細胞は生活している環境に合わせて形を変える。つまり「環境こそが問題」なのだ。
私たち誰もがそうであるように、細胞は生活している環境に合わせて形を変える。つまり「環境こそが問題」なのだ。
原核生物の脳の最有力候補として挙げられるのは、生きている細胞すべてに見られる構造である細胞膜をおいて他に考えられない。
細胞の構造を見た時に、ほとんどの方が
細胞の最も重要である司令塔は
「核」であると思うのではないでしょうか?
しかし、リプトン博士はこの著書の中で
最も重要である司令塔は
「核」ではなく「細胞膜」と述べているのです。
ではなぜ細胞膜が重要なのか
その謎を紐解いていきましょう。
1、細胞膜を構成するリン脂質2重層
ではまず細胞膜の構造を見てみましょう。
細胞膜を構成するリン脂質は
棒付きキャンディーに余分の棒が
もう一本刺さったような形をしています。
細胞膜の構成と成分
・リン脂質(主要構成成分)
・コレステロール
・タンパク質、糖
細胞膜は細胞内と細胞外を分けているが、完全に遮断しているわけではなく、物質により透過させたり、させなかったりと選択性を持つ(選択的透過性)
丸い部分
リン脂質の頭部であるリン酸部分(親水性)。
この部分は原子が電荷を持っているので極性があります。
この部分は原子が電荷を持っているので極性があります。
2本の棒の部分
リン脂質の脚部であるリン脂質部分(疎水性)。
この部分は非極性であり、正や負の電荷を持つ原子や分子を通しません。
極性とは
分子は全て、分子内の化学結合の性質によって、極性グループと非極性グループとに分けられます。極性分子中の結合には、正か負かどちらかの電荷、あるいはその両方があります。
正と負という両極端の性質を持っているので、これを「極性」と言い、正や負の電荷を持つ分子は磁石のように引きつけあったり反発したりします。
膜中央の脂質からなる部分は事実上
電気的な絶縁体になっているので
周囲にひしめく様々な分子が
細胞内に入り込んで来ることもありません。
だが、もしも細胞膜が単なる
リン酸とリン脂質のような単純な構造をしていたら
細胞は生き延びる事ができません。
なぜなら、細胞の栄養分のほとんどが
強力な非極性分子である脂質の層を
通過する事ができないからです。
2、膜に埋め込まれた「内在性膜タンパク質」
細胞達は生き延びるために
このリン脂質2重層の中に
「内在性膜タンパク質」
というものが埋め込まれています。
これがあるからこそ
栄養分や老廃物が出入り可能になるのです。
透過しやすいもの
小分子、脂溶性物質
酸素(O2)、二酸化炭素(CO2)、水(H2O)、一酸化窒素(NO)、脂質、アンモニア(NH3)
透過しにくいもの
脂質以外の高分子、親水性物質
直径の大きなイオン、グルコース、タンパク質
正、Na、Kなどはイオンちゃねるを通じて通過する(受動輸送)
電位差(膜電位)の維持
・細胞内:Kが多く細胞外に比べてマイナスに帯電
・細胞外:Naが多く細胞内に比べてプラスに帯電
・調整はNa、Kポンプ(能動輸送)が行う
レセプターとして働く内在性膜タンパク質は
細胞の感覚器で、私たちでいう
「耳、鼻、味覚」などに相当します。
レセプターは分子レベルの「アンテナ」
みたいなもので環境からの特有の信号に反応します。
多くのチャネルタンパク質は
アミノ酸でできた鎖が
きつく折り畳まれた球状をしていて
電荷が変わると、タンパク質の形態が変化し
タンパク質中央に幕を通過する水路
(チャネル)が現れます。
膜タンパク質の役割
① 細胞内外の物質交換
② 受容体
受容体には細胞膜受容体、細胞質内受容体があるが、膜タンパク質は細胞膜受容体として役立っています。
細胞膜受容体:カルシトニン、パラソルモン、アドレナリン、ノルアドレナリン、アセチルコリンなど
細胞質内受容体:ステロイドホルモン、活性型ビタミンD3など
③ 細胞の判別
細胞の種類が異なると膜タンパク質も異なるため、細胞を判別する決め手となる。
(例)
CD4陽性Tリンパ球:ヘルパーT細胞
CD8陽性Tリンパ球:細胞障害性T細胞
「内在性膜タンパク質」が
どのように機能しているかが分かってくると
必然的に次のような結論に行き着きます。
それは
細胞の活動はまず第一に環境との相互作用によって変化するのであって
遺伝暗号によって変化するのではない。
ということ。
では最後にこの意味を
もう少し見ていきましょう。
3、人生のコントロール権は自らの手中にある
核内に格納されているDNAは
30億年以上もの進化を経て蓄積され
受け継がれてきた見事な分子であり
設計図としては大変優れた性質を持っているが
細胞の活動を「コントロール」はしていません。
細胞や生物個体の一生を予め遺伝子にプ
ログラムしておくことはできないのです。
なぜなら、細胞は
絶え間なく変化し続ける環境に合わせて
活動をダイナミックに
調節していかなければ生存できないから。
細胞は環境からの信号をキャッチして
それに反応し、その結果、細胞の行動が
引き起こされるのです。
膜はある種の情報処理を行っているのだから
知性的(intelligently)活動しているのだとすると
細胞膜こそが細胞の真の脳であると言えるのです。
原子的な原核生物では
消化、呼吸、排出など、基本的な生理機能は全て
細胞膜の「内在性膜タンパク質」が担っています。
そしてその細胞達が集合して
多数の細胞からなる集団(人間)を
作り出したのです。
細胞をプログラムしているのは
遺伝子を含む「核」であると考える人は
多いのではないでしょうか。
しかし、
我々の生命をコントロールしている鍵は
「細胞膜」なのです。
私たちがそれぞれ持っている遺伝子は
親から受け継いだもの。
どの遺伝子を受け継ぐかは
受精の時の偶然に任せられます。
しかし、私たちの生命を、
人生をコントロールしているのは
この偶然受け継いだ遺伝子ではありません。
人生のコントロール権は自らの手中
自分自身にあるのです
自分自身にあるのです
我々は自身の生命のハンドルを
自分で握っているのです。
細胞環境デザインの記事一覧
参考文献
・杏林予防医学研究所(杏林アカデミー講義テキスト)