ファスティングの鍵はケトン体【その引き出し方教えます!】

ファスティングとケトン体って

どんな関係があるの❓
そのメカニズムは❓
どんな効果があるの❓
このような疑問はありませんか?
この記事では
・ファスティングとケトン体の関係
・ケトン体分泌のメカニズム
・ケトン体が多く分泌される断食日数
・ケトン体の健康効果
これらについて解説しています。

Dr.和貴
今日は細胞環境デザイン学認定医
2級ファスティングマイスターであり
断食を日々実践している僕が
断食とケトン体について解説します❗️
ファスティングを行い数日が経過すると
体のエネルギー源がブドウ糖からケトン体へ変化します。
ケトン体には様々な健康効果があり
それはまさに究極のデトックス。
ケトン体の秘密を知り断食を実践することで
ファスティングの持つ究極の健康法を
最大限に引き出すことができます。

ファスティングの鍵はケトン体

ファスティング ケトン体
ファスティング(断食)中は基本的に
酵素ドリンク以外は何も口に入れません。
ファスティングを始めて初期の段階では
活動するためのエネルギー源を
肝臓や筋肉に蓄えられたブドウ糖から補います。
しかし、その蓄えられていたブドウ糖も
2日程で底をついてしまいます。
そこでブドウ糖の代替エネルギーとして利用されるのが
脂肪を分解させて作られるケトン体
このケトン体には
精神的・身体的共に様々な健康効果が確認されており
このケトン体の効果を得ることが
ファスティングの醍醐味と言っても過言ではありません。
ではこのケトン体について
より詳しく見ていきましょう。

ケトン体が分泌されるメカニズム

ではまず初めにケトン体が分泌される
メカニズムについて解説したいと思います。
※このメカニズムの解説には少し専門用語が多くなる傾向があります。
理解に苦しむ場合はあまり気にせず難しい所は軽く読み流して下さい。
空腹第1段階
ファスティングを始めて初期の段階では体を動かすエネルギー源として
肝臓に貯蔵しているグリコーゲンが分解されグルコース(ブドウ糖)が生じ、それが全身に供給されます。
同時に、筋肉に貯蔵されたグリコーゲンが筋肉中でピルビン酸にまで解糖され
それによりATP(エネルギー)が産生されます。
しかし、肝臓に蓄えられたグリコーゲンは400〜500kcal程度、筋肉中のグリコーゲンは500〜1000kcal程度、1日も経てば消費してしまいます。
空腹第2段階
空腹の次の段階では、グルコースの使用は中枢神経系や赤血球に限定され他の組織では貯蔵脂肪が分解されて用いられるようになります。
貯蔵脂肪は、そのほとんどがトリグリセリド(中性脂肪)であり、まず脂肪細胞中にて脂肪酸グリセロールに分解され細胞外(血液中)に放出されます。
それを受け取った、中枢神経系以外の各細胞において、脂肪酸はβ酸化と呼ばれる代謝過程を経て、グルコースの代謝の場合と同じようにアセチルCoAに転換され
その後はミトコンドリア内のクエン酸回路にてATP産生に至ります。
(すなわち、脂肪酸は糖ではないので解糖系を通らないが、その後は糖と同じ)
脂肪酸が供給できない中枢神経系では
グルコースが不足した場合
筋肉などのタンパク質が分解され
グルコースが生成されて用いられます。
このグルコース生成は
糖新生と呼ばれ、主に肝臓で行われます。
空腹第3段階
それでもグルコースが不足した場合、アセチルCoAからケトン体が生成され、中枢神経細胞はケトン体(主にβ-ヒドロキシ酪酸)をエネルギー源として
用いるようになります(ケトン体はグルコース同様に血液脳関門を通過できる)。
ケトン体は、血液脳関門通過後に再びアセチルCoAに戻されて、中枢神経細胞のミトコンドリア内でATP産生に用いられます。
※肝臓のミトコンドリア中では、アセチルCoA→β-ヒドロキシ酪酸→アセト酢酸→アセトンへと変換されるが、アセトンはもはやエネルギー源としては使えません。
このようなケトン体は抗炎症作用をはじめとした有効な生理作用を持つ反面、過剰になった状態はケトン血症やケトン尿症を引き越し、ケトアシドーシスあるいはケトーシスと呼ばれる状態を引き起こします。
ケトン体を利用して
エネルギー産生を行う細胞内小器官は
ミトコンドリア
ミトコンドリアをいかに正く働かせるかが
細胞環境デザイン学において
極めて重要なポイントとなります。
つまり、ファスティングは
究極のミトコンドリア活性法
なのです。

ケトン体分泌が多くなる断食日数

では次に、
ケトン体は断食を始めて
何日目くらいから多く分泌されるのでしょうか?
上記図の通り
ケトン体(β-ヒドロキシ酪酸)の生成量が
大幅に増えてくるのはファスティングを始めて
4日〜7日後であると言えます。
断食期間が長くなるほどケトン体の濃度がどんどん高まっていく理由は
ケトン体を使う側の細胞にも準備が必要であるためであり、その準備が整うまでに比較的長時間を要するためであります。
また、このケトン体は長期間の断食ではなく
空腹時を長く取る人間食しない人であれば、間食をしている人に比べ、血中ケトン体濃度が高まっている事が確認されています。
ケトン体の生成量は、摂取カロリーが低いことよりも、糖質が不足する(オキサロ酢酸や補酵素が不足する)ことによって増加するものであるため
空腹時間が長かったり、糖質の摂取が少なかったりした場合に増加し始めます。
以上よりファスティングの醍醐味である
ケトン体の効果を最大限得られる
7日間のファスティングを僕はオススメしています。

ケトン体の健康効果

では次にケトン体の健康効果について
解説していきます。

ファスティングを始めて3日目
何だか全く空腹感やダルさがなくなったわ❗️
ファスティングを始めて3日目あたりから
急に体調が良くなったり
空腹感を覚えなくなったりする事がよくあります。
断食と聞くと
「空腹に耐え凌ぐ」
というイメージがあると思いますが
実はそんなことはありません。
辛いのは最初の2日間程度。
なぜ3日目あたりから楽に過ごせるのかというと、
その秘密はもうお分かりであろう
ケトン体にあります。
【ケトン体の効果】
① 空腹を和らげる
② リラックス効果
③ 鎮静効果
④ 幸福感が得られる
⑤ 酸化ストレスから守る
① 空腹を和らげる
脳の視床下部にある満腹中枢が刺激され空腹感がなくなります。
断食を体験した人からは「2日目くらいまでは空腹が辛かったが、3〜4日目くらいになると空腹感がうそのように消えた」とよく言われます。
これは体のエネルギー源がケトン体モードに切り替わることによる変化です。
② リラックス効果
脳では神経活動によって様々な脳波が出ています。
そしてそれらは周波数によっていくつかのグループに分けられています。
アルファー(α)波:集中、心身がリラックス
ベータ(β)波:不安や緊張
ガンマ(γ)波:怒りや興奮
デルタ(δ)波:眠っている、無意識の状態
シータ(θ)波:ウトウト状態
ファスティング3日目くらいに入ると
「脳がスッキリした」「集中力が出てきた」
というような感覚を体験する人が多いのですが
これは、脳からα波が出ているということ。
東北大学の研究により断食中の血液中のケトン体の量と
脳のα波の割合は正の相関を示す事が分かっています。
③ 鎮静効果
ケトン体には脳を鎮静化する効果があることも知られています。
このため、脳の過剰興奮によって生じる、てんかん発作や症状を抑える手法としても注目されています。
札幌明和病院の研究チームは、断食によって興奮が治るとして、心療内科の治療手段としても有効であるとしています。
④ 幸福感が得られる
断食中には幸福感を得られると言われています。
ケトン体は脳下垂体から出るβ-エンドルフィンという快感物質の量を増やす事が分かっています。
そのためか、断食中にはおだやかな気持ちになり、幸福感を経験する人は多くいます。
β-エンドルフィンには、集中力や思考力、記憶力、創造力と言った脳の機能をアップさせる働きもあります。
⑤ 酸化ストレスから守る
断食を通じて血液中に発生する低濃度のケトン体が、
酸化ストレスから細胞を保護するということを、アメリカのブラッドストーン研究所が発見しています。

ケトン体の効果を実感しよう

以上がファスティングとケトン体の関係になります。

Dr.和貴
ファスティングの効果を
実感してみたくなったのでは
ないでしょうか❓
断食を今まで行ったことがない方でも
まずは、少食や1日何も食べない日を作ることから
始めてみてはいかがでしょうか?
もし7日間以上のファスティングに
不安がある方は一人で行わず
専門家のサポートを受けながら
ファスティングを行うこともオススメです。
「ケトン体」の効果を実感すると
断食が究極の健康法であることを
身を持って理解することができるでしょう。
参考文献
・杏林予防医学研究所(杏林アカデミー講義テキスト)
・分子整合医学美容食育協会(検定公式テキスト)
・脳と体が若くなる断食力(山田豊文:青春文庫)
・図解 脳が蘇る断食力(山田豊文:青春出版社)
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